会長挨拶
「喜寿を越えて」
姫路発明研究会
会長 中村 隆弘
月日の経つのは早いと言え、いつの間にか喜寿を越えました。
これという実績も残さず、やることを減らしこれからの世の中を憂いながらコロナ禍の収まるのを待っています。平成5年(1993) 姫路発明研究会が姫路科学館開館に合わせ毎月の例会場をお借りす
るための代償として電子工作教室を指導することになり、はりま科学工作クラブとして指導者を募り集まっていただきました。
平成14年(2002)、一般社団法人兵庫県発明協会(公益社団法人発明協会)と姫路市教育委員会の依頼で、姫路少年少女発明クラブを設立し運営指導を担当して20年、計29年やってきました。
今年4月、事務処理業務などの軽減のため、はりま科学工作クラブを閉じ、姫路少年少女発明クラブにまとめることにしました。
この巻頭の挨拶でも、ものづくりについての憂いを良く言ってきたように思います。
日本の根本はものづくりと教育です。それなのに、先生には教育以外の業務が多くあり、発明考案者には自由に考える環境が少なく、また革新的なアイデアや技術をもとに開業したベンチャーに対する信用性不足や税負担が大きく存在しています。
国はこのようなことの解消に力を入れるべきですし、教育やものづくりにあまりお金を掛けていないことが問題です。
極端なことを言えば、教育者や発明考案者に何億という収入が得られるようになれば、誰もがなりたいと競争が生まれ、優れた人が集まるでしょう。
科学館の電子工作教室などをやっているのですが、図やサンプルに近い形にするという子がほとんどで、回路図のとおりにつなげていないので当然まともに動きません。
電子部品を回路図のとおりにつなぐというのが基本で、この基本を理解させるのに困っています。
電気の世界で長年仕事をやってきて思うのに、電気の基本はオームの法則でした。回路の概念とオームの法則を早く知っておくべきだと思います。
姫路市の小学校の理科は4年生から始まり、電気の働きとして乾電池でつくる回路を勉強します。
ここで回路という概念を判ってくれていたらと思いますが、次に回路を習うのは中学2年になってからです。
回路図と実際の配線を根気強く説明するしかありません。低学年には理科が無いことに驚いたのですが生活科として従来の理科でやっていたようなことを習うようです
教科書には電池の並列つなぎなど実際にはありえない、民間企業の技術者が絡んでいれば載せないだろうと思うことがあります。
色々と並べましたが、まだまだ教育の問題点を指摘しようと思います。
会員の皆さん、これからもご協力よろしくお願いします。
中村 隆弘
姫路少年少女発明クラブ/会長
光テクノ株式会社/代表取締役
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